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LOHASな日記 Vol.1699 | 2010.06.12
森の天文台
日記当番:中館慶子
以前、仕事先で一枚の写真を目にしてから、ずっと気になっていた場所があった。
「国立天文台」だ。そして先日ふと思い立ち、三鷹へと足を運んだ。
京王線調布の駅からバスで約10分。降り立つと、目の前には静かに森が広がっている。門を抜けて受付で見学ガイドの資料をもらい、さっそくお目当ての「第一赤道儀室」へ。
建設されたのは1921年、2002年には国登録有形文化財に指定されている。
「第一赤道儀室」は、国立天文台三鷹内で現存最古の建物だということで、その外観は古くそして思ったよりも小さい。
階段をのぼって室内に入ると学生さんらしき女の子がふたり、出迎えてくれた。
「今はあいにく曇り空なので見えませんが、先ほどは黒点が見えましたよ」と、望遠鏡に仕掛けた白い紙を指差して、教えてくれる。
黒点かぁ・・・懐かしい響きだなぁ・・・
室内のまんなかには、カール・ツァイス社(ドイツ)製の屈折望遠鏡が設置されている。おもりをハンドルを使って手動で巻き上げると、1時間半ほど天体を追尾することができるらしい。
資料によると、この「第一赤道儀室」では1939年から60年間、スケッチによる太陽黒点の観測や、写真儀による太陽全体の写真撮影が行われていたという。
観測記録は毎月国際機関に報告されて、太陽活動の監視や研究に大きく貢献したのだとか。子どものときは、授業で天体のことなどを教わっても何の興味も抱かなかったが、おとなになった今、夢に満ちた世界はとてもわくわくする。
現実だけれど、非日常を感じる。今どきの学生にしてはとてもういういしい女の子たちの、たどたどしい説明にお礼を述べつつ、次の目指す場所へ。太陽系ウォーキングと名づけられた道をとおって、「太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)」へ。
ここは外観しか見ることができないが、塔全体が望遠鏡の筒の役割を果たしている。
やはりこの塔も古く、建設されたのは約80年前。樹木に囲まれてひっそりと佇んでいる。
ほかにも、天文台歴史館や子午儀資料館、天文機器資料館などの古い建物が、森のあちこちに点在している。
スタートが遅かったため、くまなく見学するには至らなかったが、雰囲気だけで十分に楽しめた。なぜ天文台に樹木が多いのかというと、あたりを暗くするため、すなわち星空の観測をしやすくしているのだという。
ときおり家族連れなどの見学者とすれ違ったりはしたが、それでも人はまばらで、とても静か。
深呼吸をすると森の匂いと天体のロマンの香りがして、とてもここちがいい。あんな神秘的なところで、科学者と知り合って恋に落ちるのも素敵・・・
などと、帰り道に立ち寄った焼き鳥屋さんでビールをあおりつつ、いつもの日常のなかで、非現実を思った。中館慶子

北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。
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