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LOHASな日記 Vol.2089 | 2011.08.16
本について
日記当番:中館慶子
和田誠さんの『書物と映画』展へ。
和田誠さんの絵が好きになったきっかけは、愛読していた週刊文春のカヴァー・イラストレーション。
人物、風景、動物、植物・・・
どれも淡々としているようで、味わい深く、温かく。
独特の紫の使い方も好き。
駅の売店で、毎週新鮮な気持ちで手にとることができた。世田谷文学館で開催されているというので、一度も訪れたことがないし、ぜひとも行ってみようと。
「本好きな人なら書かれている内容だけでなく、中身も外見もひっくるめて本全体に愛着を持つでしょう。
そのことを大切にしたいと思うんです」
と語られている和田誠さんだが、本当にそう思う。私は、本のカヴァーが美しいのももちろん好きだが、外すのが密かな楽しみでもある。
本体の表紙が思いがけず素晴らしかったりすると、とても嬉しくなる。
なかでも、昭和59年に発刊された宮本輝さん著『春の夢』。
物語の大切なモチーフとして蜥蜴が登場するのだが、カヴァーを外すと、生成りの布の表紙に蜥蜴が型押しされている。
この本は亡くなった祖父の本棚から譲り受けたもの。
祖父の思い出とともに、まさに中身も外見もひっくるめて愛着のある一冊なのだ。本は大好きだが、汚さないように丁重に扱うわけではない。
コーヒーを飲みながらだったり、ランチしながらだったり、電車の中でだったり、いつでもどこにでもバッグに入れて連れまわすから、知らぬ間にシミがついたり折れたりもする。
自分も汗をかいたり手が汚れたりするのと一緒で、生活をともにしているのだから、しょうがない。
本に限らず好きなものは、ガシガシと使う。
無論、わざとぞんざいには扱ったりしないけど。
もしも、綺麗なまま保存しておきたいなら、もう一度買えばいいとも思う。
それだけのハナシだ。分厚い本を数冊持ち歩いていると、たびたび「重くない?」と訊かれる。
確かに重い。荷物が多い朝、バッグから抜こうか迷うときも。
だが。電子書籍にもメリットはたくさんあるわけで、心惹かれる部分ももちろんあるが、やはり本の手触り・匂い・姿・カタチからは一生離れられない。本題に戻ろう。和田誠さんワールド。
ポスター、絵本・挿絵原画、装丁画をはじめ、井上ひさしさん、村上春樹さん、谷川俊太郎さん、丸谷才一さんとタッグを組んだ仕事などもあますことなく紹介されていて、見ごたえたっぷり。常設展「ムットーニのからくり書物」の上演や「映画を支えるデザインの仕事」展も楽しめますよ。
9月25日まで開催されているので、本や映画好きの方は、ぜひ!残暑も厳しいけれど、蝉の声を聞きながらかき氷などで喉を潤し、読みかけの本を早く読んでしまおうっと。
そして、また、愛着が持てる新しい本に出会えたらいいな。中館慶子

北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。
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